Bさん「電源切り替えの作業について」
院内SEの夜間対応
院内SEは残業も少ないですし納期もありませんが、日中にはできない点検作業などを行う夜間対応はあるんですよ。そこで、夜間対応の経験を持つ院内SEのBさんの体験談を見てみることにしましょう!
院内SEに従事するBさんの体験談
院内SEとして病院で働くようになり、年に何度か病院の変電設備の定期点検で夜間に出勤しています。病院を停電させての電源切り替え作業ということで、担当の職員に院内SEも立ち会うよう指示されました。非常用電源を備えている病院で、一般電源が停電したときには非常用電源に切り替わるようになっています。非常用電源は普段使わないものなので、いざというときすぐに使えるかどうかたまにチェックしておく必要があります。病院の非常用電源が使えないとなると、患者さんの命に関わる重大なトラブルが発生しかねません。
院内SEが担当するのは、停電して非常用電源に切り替わった後にシステムが正常に作動しているかどうかの確認作業です。UPSと呼ばれる無停電電源装置があれば、停電と同時にパソコンがシャットダウンされてしまうこともないので、重要なデータを守ることができます。停電によって一度電源が落ちてUPSから電源に切り替わると、サーバーが異常を検知してシステムの管理会社にエラーの発生が伝えられます。いきなり点検作業に入ってしまうと、管理会社が本当のエラー発生だと認識してしまうので、前日までに定期点検を行うことを伝えておきます。点検当日は、電源の切り替えが行われる前に院内のパソコンの状態をチェックします。夜間に点検作業を行うことはあらかじめ伝えてありますが、シャットダウンを忘れて帰ってしまっている方もいるので丁寧にチェックします。特にデスクトップパソコンには細心の注意を払います。準備が整っていることが確認できたら停電の状態にします。電源が落ちてから2分ほどすると、非常用電源が作動し電気が復活します。電気が通ったら、院内システムが通常どおり使用できるかどうかの確認作業に入ります。ここでなにもなければ、院内SEとしての停電中の業務はほぼ完了です。非常用電源にUPSがつながっていないなどのトラブルを見つけたら対処します。
院内SEはシステムの担当なので、電気系統に関する点検作業はしません。すべての点検が終了し、非常用電源から一般電源に切り替わったら、院内システムが通常どおりに使用できるかをもう一度確認し、病院内にある他のパソコンの状態を確認してすべての業務が完了します。システム開発の仕事をしていたときも夜間に働いたことはありましたが、院内SEの夜間対応はまるで別世界でした。同じ夜勤でも納期に追われての夜勤ではないので、ストレスなど一切なくむしろ非日常を楽しむことができました。